ChatGPTのTerms of useを確認する
色々とアレなポストを見かけたので、Xの方でAdobe Stockの規約などを色々と説明を流しました。という事なんですけど、チャッピーの方はどうやねんってところを利用規約から紐解いてみます。
https://openai.com/ja-JP/policies/row-terms-of-use/
こちらが日本語版の利用規約です。2024年12月11日にリリースされたものが有効です。
主として見ていただきたいのは「コンテンツ情報」のところです。では見ていきましょう。
「お客様のコンテンツ情報」の本文中の
「お客様は、本コンテンツが適用法令又は本利用規約に違反していないことを確認することを含め、本コンテンツに対して責任を負います。お客様は、当社の本サービスに提供するインプットに必要なすべての権利、ライセンス、及び許諾を得ていることを表明し、保証します。」
はい、入力される画像の正しい権利を保持していることを保証する必要があります。ここ大事です。正しくライセンスを取得した又は自分自身が著作権者であるか、許諾を得ている事を保証する必要があるのです。
いきなり、ウォーターマーク付の画像をぶっこむ事を否定されていますね。
次は「サービス規定」を見てみます。
https://openai.com/ja-JP/policies/service-terms/
こちらは2025年10月30日にアップデートされたものです。「6. 画像及び動画機能」を見てみると、
「Sora フィードへの共有や Sora カメオの作成を目的としたアップロードなど、画像または動画を本サービス上で共有することを選択することにより、お客様は必要なすべての権利を有することを表明し、なおかつ OpenAI に対し、本サービスの運営および宣伝を目的として当該画像または動画を複製、配布、改変、展示、上演する権利を許諾したことになります。」
と書かれています。要するに生成したものをOpenAIのインフラ上で共有する場合、アップロードしたコンテンツの権利に関してアップロード者が保証することを義務付けているわけです。
もう一つ、「使用に関するポリシー」も見ておきましょう。
https://openai.com/ja-JP/policies/usage-policies/
「人々の保護」の箇条書きについて
冒頭に「 全ての人に安全性とセキュリティが確保される権利があります。そのため、以下の目的で当社のサービスを利用することはできません。」
この部分は一見、プライバシーに関する条項のように見えますが、その限りではないことに注意が必要です。箇条書きの中ほどに「他者の財産等」についての言及があります。
「他者のシステムや財産の破壊、毀損、侵害(悪質又は不正なサイバー行為や、他者の知的財産権を侵害する行為を含む)」
この財産というのは広範で、他者の持つ肖像権や著作権等の知的財産権も含まれることに注意が必要です。
この様に、様々な部分でユーザーがアップロードするものに関して正しく「権利を保持もしくは取得している事を保証する」事が要求されています。
つまり、Adobe StockのカンプライセンスやPixtaのカンプデータ等は、そもそもChatGPTにアップロードする権利自体を持っていないということになります。
また、ライセンスを取得したアセットに関しても「利用許諾」が与えられた状態であるとしても、Adobe Stockの利用規約が「参照」自体を機械学習の一環と判断できそうな条文になっている事も勘案するとアセットをこのような利用用途に使うのはリスクが大きいと考えられそうです。
と、まあ、以上なんですけど、規約等はしっかりと読み込まないとサービスの正しい使い方から逸脱してしまうこともあるよって事なんだとおもいます。
また、著作権や商標権なんかに関しても幾つか前のポストにありますので、合わせてご覧いただければと思います。