ドキュメントの描画モードの分離について
やっとこさIllustratorをフォントエディタにしてしまえたのですが、相当めんどくさかったです。スクリプトでバイナリ操作するとパフォーマンスでないんですね。無理させるとハングするし。で、色々と難儀したわけですけどなんとかリリースにこぎつけました。さっそくお買い上げ頂いた皆様には感謝申し上げます。Boostまでいただいてありがたい限りです。とりあえず、次のリリースでは欧文合字等を実装する予定です。CFFのCID化も進めているわけですけど、色々と忙しい為エクステンション化迄には時間がかかります。これに専念できたら良いんですけどね……仕方ありません。
で、本題です。今回はイラレさんの透明パネルの奥深くに眠っている「ドキュメントの描画モードを分離」オプションについてご説明しておこうかと思います。
描画モードの分離ってなに?
「描画モードの分離」は、透明パネル の機能で、特に描画モードが複雑に重なったときに、その効果を「グループ内だけ」に閉じ込めるためのオプションです。
基本
通常 Illustratorでは、オブジェクトの描画モード(乗算、スクリーン、オーバーレイなど)は、下にあるすべてのオブジェクトに対して影響します。しかし「描画モードの分離」にチェックを入れると、そのグループ内だけで描画モードが働き、グループ外のオブジェクトには影響しなくなります。
具体例
①青い四角の上にピンクの円を配置
②ピンクの円を乗算に設定
ピンクの円は下の青い四角とブレンドされ、重なった部分が紫っぽくなります。しかし、この乗算設定は背景にも影響を与えるために青い四角の外側部分は黄色に乗算されるために赤っぽくなります。
このグループに対して透明パネル上で「描画モードを分離」のチェックボックスをONにすると、そのグループ内では描画モードが働きますが、グループ外の背景には影響が出なくなります。
よく使う場面
◯アイコンやUIパーツ制作 → 部品ごとに描画モードの効果を閉じ込めたい
◯複雑なイラストの整理 → 他のレイヤーまで影響して色が濁るのを防ぐ
と、まあ、こんな感じなんですけど、描画モードを嫌ってパスファインダーでバラバラにして色をコントロールするという事もよくやりますが、乗算やスクリーンでカタがつくケースも多いですから「描画モードを分離」は結構利用価値が高いオプションです。
で、ですねぇ……これをドキュメント単位でかける事ができます。それが冒頭のパネルサブメニューにあるやつです。こ〜んな深いところにあるので利用頻度はとても低いです。
こちらは描画モードであれこれやったデータを「ドキュメントの描画モードの分離」の状態だけを変えて保存したものを並べて比較した物です。
このようにInDesign等に貼り込んで使う部品等だと、データ作成開始時にこのメニューを一度だけ選択しておけば有効になりますので、部品制作時に下地との兼ね合いに悩む必要がなくなります。
もう一度、見ておきましょう。
こちらのメニューです。ぜひご活用ください。