IllustratorCC2023ってやつは…不具合が……
朝晩の冷え込みが急に厳しくなってきたように感じる今日このごろ、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで、今回のIllustrator ver.27でもTop Japanese Prerelease Contributerにクレジットいただいております。
今回のリリースではヒストリーパネルの実装やクロスと重なりといった機能強化が盛り込まれました。残念なことに双方とも大きなバグを抱えたままのリリースとなっています。ヒストリーに関しては当初から挙動を追いかけていましたから、この状態でリリースされたのは痛恨の極みではあります。ともあれ、安定性は年々向上していますので、ひどい扱いをして負荷をかけてもそれなりに安定して動いてくれるのはありがたいです。
という事で、今回は先日リリースされたver.27.0.1での気になる挙動と注意点としてお知らせしておきます。
まずはヒストリーパネルです。NDAの事もありますので、ご紹介できるものとしては以下のUservoice投稿です。
こちら、悲しいことに開発チームからは「ver.27.0.0で直した―ぜ〜」ってコメントが付いていますが、全く直ってません。どこをなおしたのでしょうか……。
この不具合に関して少し紹介しておきましょう。
まずツールボックスです。
こちらの下部に表示されるペイント設定の3種類のボタンは「取り消し」と表示されます。英語版では「Undo」です。
続いてリピートグリッド機能です。
このようにラジアル・グリッド・ミラーの3種類がありますが、全ての調整操作が「取り消し」と表示されます。
では、一番ひどい文字パネルについてです。
こちらでは「書式変更」と「とりけし」が交互に並んでいますが、これらは1つの操作で2項目追加されます。ショートカットで戻るときも2回入力が必要です。
文字パネルでは他にもおかしな挙動があって、行送りのスピンボタンをワンクリックすると「書式変更→取り消し→書式変更→取り消し」と一気に4項目追加されてしまいます。これはショートカットで戻す際にも4回必要です。
あと、文字サイズと行送りの数値をダイレクトに入力する際にカーソルを置いたまま⌘+zのショートカットを入力すると表面上はなんの変化も起きませんがヒストリーパネル上には「書式変更」が追加されます。
ちょっとおなかいっぱいな感じになってきましたね。次はダイアログパネルなんかの移動問題です。
これは保存時などのオプションダイアログの位置が安定しない問題です。
https://illustrator.uservoice.com/forums/601447-illustrator-desktop-bugs/suggestions/45656506-ファイル保存時のオプションダイアログの位置が保持されない
https://illustrator.uservoice.com/forums/601447-illustrator-desktop-bugs/suggestions/45952249-リンクを再設定する度にダイアログがズレていく
このあたりのなんですが、27.0.1においても動いちゃいますね。
「穴があったら入りたい」ってやつですかねぇ…
あと、クロスと重なりですが、ver.27.0.1においてもPDFを書き出すと以下のように72ppiでラスター化された状態で書き出されます。
単純な形状であれば「オブジェクト→分割・拡張」で回避可能です。
一旦、2022で保存することで展開させることも可能です。
ただし、バージョンダウンはversionedContentの影響を受けますので別の注意が必要です。
今回明確にFIXされたって問題はパッケージの際のPSDファイルのダブルエクステンション問題ぐらいですかねぇ……