[AI]スクリプトからのエフェクト操作

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今回の投稿はクリスマスシーズンに入りましたので、DTPアドベントカレンダーへの投稿として簡単にまとめてみました。
これから年末にかけて多忙な日が続くとは思いますが、皆様が健康にクリスマス〜新年を迎えられますように(^-^)/
 
さて、IllustratorのスクリプトではapplyEffectというメソッドが存在します。これはIllustratorの効果メニューの各項目をスクリプトから適用するためのメソッドです。これに関しては
 
で言及してあります。しかし、この記事にも限界があります。FXG形式の書き出しはCS6以降では廃止された為、それ以降に実装された効果に関しては引数であるXMLを組み立てるためのパラメータがわからないのです。
ということで様々な方たちが色々なところを掘り返してパラメータを調べ始めました。以降でまとめられる手法は上海のスクリプターmoluappleがまとめたものを解説したものです。
 
 
 

コンテンツリカバリーモードを設定する

以下のスクリプトをIllustratorで1回実行し、コンテンツリカバリーモードを設定する。(on/offトグル動作なのでもう一度実行するとリカバリモードを抜ける)
 
app.preferences.setBooleanPreference("aiFileFormat/enableContentRecovery",
!app.preferences.getBooleanPreference("aiFileFormat/enableContentRecovery"));
 
 

Illustrator書類をテキストエディタで開けるようにする

効果をかけたオブジェクトを含むファイルを予め作成しておき、そのファイルをコンテンツリカバリモードで保存します。
 
  1. Illustrator上でファイルを開くダイアログを表示。(まだファイルを開いてはいけません)
  2. 対象ファイルを選択した状態で「Command + Option + Shift(Mac)」「Ctrl + Alt + Shift (Windows)」をプレスしたまま開くボタンをクリックする。
  3. 空のドキュメントが開いた状態で対象ファイルが開かれるのでそのまま閉じる。
 
以上の手順で対象ファイルと同一のフォルダに頭に「_」が付いたファイルが保存されています。
このファイルをテキストエディタで開いて以下の正規表現で検索します。
「BasicFilter\s:\n\((.+?)\)\s1\s0\s\/Filter」
 
以下は「角を丸くする…」の記述部分がヒットしたものです。
/BasicFilter :
(Adobe Round Corners) 1 0 /Filter ,
1 /Visible ,
(Adobe Illustrator.app) /PluginFileName ,
(\212p\202\360\212\333\202\255\202\267\202\351) /Title ,
/Dictionary : /NotRecorded ,
2 /Real (radius) ,←逆ポーランド記法で値とDict名称が書かれている。
/Dict ;
 /Part ,
 
このままではapplyEffectメソッドの引数のXML構造にはなりませんので整形が必要となります。
 
テンプレート
'<LiveEffect name="">'
+'<Dict data="'
+' '
+' I Adobe Effect Expand Before Version 16 " />'
+'</LiveEffect>'
 
上記のテンプレートのDict dataの値として検索でヒットした/Dictのパラメータを成形加工します。
角を丸くする…コマンドの/Dictは以下に抜き出した1行のみです。
2 /Real (radius) ;
  ↓
R radius 2 //(データ型を表すアルファベット1文字、データ名称、数値の3点をスペース区切りで記述する)
 
上記のパターンで/Dictにエントリされている全てのパラメータを整形します。
データ型は、Real→R、Integer→I、Boolean→Bの3点が存在します。
この例ではDictエントリが1点だけなので最終的なXMLは以下の様になります。
'<LiveEffect name="Adobe Round Corners">'
+'<Dict data="'
+'R radius 2'
+'I Adobe Effect Expand Before Version 16 " />'
+'</LiveEffect>'
 
これを用いてスクリプトを書くと「角を丸くする…」は以下のようなスクリプトになります。
var xmlstring = '<LiveEffect name="Adobe Round Corners">'
+'<Dict data="'
+'R radius 2 '
+'I Adobe Effect Expand Before Version 16 " />'
+'</LiveEffect>';
app.selection[0].applyEffect(xmlstring);
 
エフェクトを検索する作業も楽しいので是非お試し下さい。

ten_a

Graphic Designer, Scripter and Coder. Adobe Community Professional.

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