IllustratorCC(ver.22/2018リリース)の文字組が崩れる問題について
ご無沙汰なのです(^-^)/ Adobe Community Professionalってバッジ貰ったのですが、色々と手間がかかってこちらを書く時間が取れません。しかし、本日はちょっとAdobe社に苦言を呈したいと思い書いています。
Twitterで今流れていますが、CC(ver.17)〜CC2017(ver.21)で作成したドキュメントを新しいバージョンで開いて編集すると文字組が崩れます。で、よく考えたらver.22で保存しても同様の挙動をします。
保存されているドキュメントに「文字組=なし、禁則=なし」に設定されたテキストフレームがある場合、新バージョンで開くと「文字組=行末約物半角、禁則=強」がそれぞれ自動的に適用され、テキストフレームを編集すると文字組が崩れる。
詳細
元々「文字組」及び「禁則」というのはDOM上でも設定されて初めて付加されるダイナミックプロパティ的な動きをしますが、双方とも「なし」を再度設定するとプロパティ自体が除去されるというトリッキーな挙動をするものです。ver.22ではドキュメントを開いたときに、「テキストオブジェクトにこのプロパティが無い場合デフォルト値を割り当てた状態で付加」してしまいます。しかし、各文字の位置情報はファイルに記述されているデータに基づき処理される為、これらの情報が適用されず「旧来のものと同じ表示」となります。ですが、ひとたび「編集(色変更、複製、移動、回転、コピペ等々)を行う」と前述のプロパティが適用された状態で文字組みが計算される為、結果として「組体裁の崩れが生じ」ます。(下図参照)
回避するためには以前の組情報へ手動で戻して上げる必要があるのですが、全てのテキストフレームを処理する必要があり、開き直したりすると再び同じ症状が出ますので根本的な対処方法にはなりえません。
※この問題は2017年11月2日リリースされたver.22.0.1にて修正されました。他にも様々な不具合があるものの実務レベルで利用可能です。是非新しい機能をお試しください。
最後に
色々ありましたが比較的早い段階でこの問題に対応するためのアップデートをお出し頂けた事に感謝したいと思います。
開発チームのPriyank氏、情報共有にご尽力頂いたジャパンフォーラムの皆様ほか、ご尽力頂きました皆様に感謝申し上げます(^-^)/
ver.22.0.1で修正された不具合
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/kb/troubleshoot-text-layout-issues.html
https://helpx.adobe.com/illustrator/kb/troubleshoot-export-issues.html